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Treasure Planet

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「モントレッサ」という惑星に住む少年、ジムは小さな頃から、大海賊が宝を隠した「トレジャープラネット」に纏わる物語を愛していた。しかし、その後彼の父が突然家族を置いて家を出て行ってしまったことから、その心の傷を消せないまま非行に走っていた。

そんなある日、一隻の宇宙船が彼の家の近くに墜落した。乗っていた男は「サイボーグに気をつけろ」という言葉と、「トレジャープラネット」への地図をジムに手渡し、死んでしまう。

母の友人であるドップラー博士はこの地図に強い興味を持ち、「トレジャープラネット」を探すたびに出ることを決心。それにジムも同行することになり、宇宙への航海が始まる。

 

全体:☆☆☆

ストーリー:☆☆☆☆

映像:☆☆☆

音楽:☆☆☆☆☆

 

"Atlantis" "Tarsan" "Dinosaur"の時代に作られたディズニー作品。私はこの頃の作画の雰囲気や構成演出が独特に感じられる。妙にリアリティのある肉感的な表情が好き。

序盤の流れ的にはAtlantisに似ているけど、基本設定が未来の惑星なのでだいぶぶっ飛んだSFになっている。矛盾点としてはローテクとハイテクが混同しすぎててこの世界観って成立するの?って思うところだけどそれもまたSFのご一興ということで流せば楽しい。

この作品で特筆すべきは、悪役と主人公が旅の間に友情とも親子愛とも取れない関係を築き上げていく描写にある。父の愛を十分に受けられないままに育った主人公が、父と言っても良いような年齢の海賊と親しくなっていく描写は、勧善懲悪の形態を取りやすいディズニーの作品としてはとてもめずらしい。悪役であるシルバーが、邪魔者のジムを銃で撃とうとして撃てなかったりとか、裏で苦悩の表情を浮かべたり、宝の乗った船と今にも落ちそうなジムを天秤にかけて、結局ジムを助けることを選ぶ描写は新しすぎるなあと思った。

どうでもいいけどこの頃のJames Newton Howardsの映画音楽はキレッキレだなあと思う。同年代に作曲したDinosaur, Atlantis, そしてTreasure Planet全てにおいて、皆がどこかで聴いたことがあるレベルで有名になったフレーズがあるのは凄すぎる。