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What I've seen, read, played.

A nagy füzet(悪童日記)

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全体:☆☆☆☆

ストーリー:☆☆☆☆☆

映像:☆☆☆☆

音楽:☆☆☆

1944年。とある大きな街で、兵隊の父と、母と暮らす双子の少年たちは裕福に暮らしていたが、身を護るために小さな街で農場を営む祖母の家へ疎開することに。祖母は娘である母とは20年以上会っておらず、意地の悪さから近所の人々には「魔女」と呼ばれていた。祖母は孫である少年たちに対しても「メス犬の子」と罵り、仕事をしなければ食事を与えなかった。双子は生き延びるため、自分たちに様々な自分たちなりの「訓練」を施してゆく。やがて、かれらのルールは戦争と共に少しずつ、常識から逸脱してゆく。

 

itkti.hatenablog.com

以前、小説で読んで衝撃を受けた物語だった。文ならではの独特な空気感、脳内で妄想することで生まれる異質さなどを強く感じた作品であったが、それの映像化ということで興味深々で鑑賞。

まず「ぼくら」を演じている彼らのルックスはそんなに違和感は無かった。美少年の双子ということで、脳内イメージとは違うけども受け入れられる感じ。

ただ、おばあちゃんはもっと下衆で非道なイメージを持っていたので、優しいおばあちゃん的な描写が多めだったせいか、あまりしっくり来なかった。

あと、彼らが何かしでかしている時の映像が何故かコミカルで笑ってしまった。シュールな面白さがある。本では「なんでそんなことするの!?」みたいな気持ちがどんどん出てきて呆然とすることが多かった反面、映画で映像化すると意外と、シュールな絵面になってしまうのかもしれない。それと同じ効果で教会のお姉さん、お母さん、お父さんが全員爆死するんだけど、それは小説と同じはずなのに小説は心にぽっかり穴が空くような気分になるシーンが、映画だとどうにも笑ってしまう。

さすがフランス映画、といった感じで相変わらずシャレオツなコラージュみたいなカットが入る。Jean- Pierre Jeunetなんかもよくやる手法で、フランスにしか出来ないシャレオツさがたまらない。

ある面では映像化に成功したと捉えても構わない気はするのだが、小説で感じた異様な空気感、みたいなものはあまり感じられなかったというのが本音。