BRIDGE TO TERABITHIA
全体:☆☆☆☆
ストーリー:☆☆☆☆
映像:☆☆
音楽:☆
少年ジェスは夢想家で、空想の絵を書くのが大好きだった。しかし貧しい家の生まれで、現実的な両親や姉とはいつもぶつかっていた。学校でも友達は居らず、乱暴な年上の女子や、同級生の男子にいつも虐められていた。そんな中、夏休みが終わり新学期が始まるとき、ジェスのクラスに風変わりな少女レスリーが転校してくる。
ジェスとレスリーは変わり者同士、次第に仲良くなっていきある日、いじめっ子の居ない2人だけの場所を作ることにする。
そしてレスリーの創作力と、ジェスの想像力が合わさって、2人の王国「テラビシア」が出来上がる。
こういう、虐げられた子が空想の世界に逃げる、みたいな話は自分に身に覚えがあって共感できるので、結構好き。
悪い方向にパッケージ詐欺で、パッケージだけ見るとすっごいファンタジーなのかなって思うけど、比率で見たら現実65%、ファンタジー35%って感じで実はほぼ現実。
観た映画の中では 、Pan's Labyrinthと、かいじゅうたちのいるところ系のストーリー
幼い子が辛い現実から逃げ出すための妄想を可視化するみたいなのは、ストーリーとしてよくある形態なのかもしれない。
ただ、今までと違ったのは1人が生み出した世界じゃなくて、2人が出会ったから生み出せた世界っていうのが、とても少年少女らしい動きだったので新しかった。
(ポジティブ系) かいじゅうたちのいるところ > テラビシア >ラビリンス (ネガティブ系)
という具合に綺麗に並べられる感じ。
妄想も、現実のいじめっ子とかと強くリンクしていて、自分の敵と思う物を「テラビシア」を襲う敵として扱う感じも子供っぽくてリアル。
ラストの展開は正直、そんなシビアにしなくても、、、って思ってしまうほどシビアだったのでストーリーを満点に出来なかった。
最後に厳しい現実から逃げるのとリンクして、テラビシアを襲う「ダークマスター」がジェスを襲うシーンがあるのだけど、そのダークマスターの正体が、ジェスに現実を突きつける一番の存在だったところが、ああ〜なるほどねって思わされて感慨深いシーンだったと思う。
内容はとっても素敵で、正直号泣したんだけれども音楽と、映像技術が追いつかなかったなあ、というのはとても残念だった。特に映像は、安めの商業映画的CGが多くて、それならもっと個性的な雰囲気を持たせてもよかったのかなとも思うし、音楽に関してはたまに挟まるチープな洋楽がええ〜それ〜?て感じで気落ちさせられた。
どうでもいい話、音楽の先生とジェスが2人でメトロポリタン美術館に行くシーンで、ジェスが興味を持った絵がピンポイントでブリューゲルだったのですごく興奮した。