Crash
全体:☆☆☆☆
ストーリー:☆☆☆☆
映像:☆☆☆
音楽:☆☆
舞台はロサンゼルス。この街にすむ様々な人種の人々が、様々な局面で「人種」という問題に直面する。
うまくあらすじを表現出来なかったけど、とても収まりのいい構成だった。最初に交通事故(crash)のシーンで始まり、終わりにもcrashのシーンで終わる。この話での”crash”とは即ち人種間のぶつかり合いを意味していて、始めにそれを見せることでこの話を通じて人種差別を取り上げていることが容易に分かるし、最後にまた、違うところでcrashが起こることで、人種差別は終わらない、消えない というような意味合いを感じ取ることが出来た。
何パターンかの人間模様が描かれていて、それが様々な所で少しずつ関連して行く。ヒステリックを起こす女性と男性の喧嘩が印象的に登場していて、それもまた人種間の衝突や人種差別からの憤り、不信感、そういったものを表現する一つの演出だったのだろうなあと思う
色々な物語の中で、自分の信念的に差別をしていた人や、恨み憎しみをもった人間達が、とあるエピソード一つでその根底から自分を見直すきっかけになったり、逆に差別を否定していた人間が自分自身の根底に植え付けられた先入観によって、自分の差別視に内側から気づかされることになったりする様子が描かれていて、その問題の解決することの難しさや、自分自身の考えとかもすごく思い知らされる作品だった。