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Reviews

What I've seen, read, played.

Laurence Anyways

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/en/d/de/Laurence_anyways.jpg

 

ロランス・アリアは、カナダモントリオール在住の小説家。学校で教授もして、フレッドという恋人と共に平和な日常を送っていた。しかし、彼の心には幼き日からずっと、「自分は女である」という気持ちがあった。そしてある日、彼は隠し続けた気持ちを抑えるのを辞め、「女として生きる」ことを選ぶ。その選択は、様々な葛藤や苦しみをロランスだけでなく、周りの人にも与えることになる。

 

全体:☆☆☆☆

ストーリー:☆☆☆

映像:☆☆☆☆

音楽:☆☆

映画界の若き新星として注目を浴びているグザヴィエ・ドランの2012年の作品。

セクシャルマイノリティに対する世間の目線、生きていくことの難しさ、周りに認められない苦しさなどが、ゲイであるグザヴィエ・ドランの実体験も元に表現されているのだろう。

「視線」の表現は非常に秀逸な見せ方だったと思う。人と違う物を見る時の目線というのは、そういう体験をした人間にしかわからない。恐らく、受け取り手によって共感を持つ人もいれば、体験したことのない恐怖感を感じる人も居るだろう。

それから、ロランスのパートナーであるフレッドへの気持ちというのはとても複雑で難しいものであると同時に、自分にとっては要所要所共感を持った。女性の体になりたくても、愛している人は女性。それは世の中ではおかしいことのように見られるかもしれないが、大切に思う気持ちというのは性別を超えてもいいのではないかと、私も思うので監督のメッセージは痛いほどよく分かった。

他にも、自分らしく生きることで「普通」の幸せを逃すことになる、隣に居てほしい人の幸せを願うなら自分を偽ることになる、みたいな苦しみも、マイノリティならではのマイノリティにしかわからない苦しみなのかもしれない。

この映画は2012年作で、今26歳のグザヴィエが22歳、要するに私くらいの歳に作った作品だ。マイノリティについての世間への投石は凄く強いものを感じたけれど、本人も色々まだ迷っているのだろうな、という雰囲気を作品全体からひしひしと感じるものがあった。

あまり関係ないが、劇中の曲の使い方とかも若者らしさを感じた。ところどころMVのような雰囲気になっていた。割とシーンに対して直球な歌詞の曲を入れているあたり、やっぱりまだ若いのだなと思った。でも、今の自分にこんな作品は作れないのでやはり天才的であることに変わりは無いと思う