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The Truman Show

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トゥルーマンは、「シーヘブン」という離島で暮らす保険会社の社員。小さな島の中で至極真っ当に暮らしてきた。しかし、海の事故で亡くなったはずの彼の父が、突然自分の目の前に現れたことから彼は少しずつ、自分の人生の違和感に気づき始める。

Truman is living in an island as "Sea Heaven". He walked in peace at this small island.   But one day he noticed that his life's strange. Because his father was dead because of sea accident when he was a child, however suddenly his father appeared in front of him.

 

全体 Overall:☆☆☆☆☆

ストーリー Story:☆☆☆☆☆

映像 Image: ☆☆☆☆

音楽 Sounds:☆☆☆☆

 

 

凄く面白かった。話の構成が秀逸。且つ、まんべんなく繰り広げられた皮肉が最高のスパイスとして物語を盛り上げている。

自分が信じてきた家族、友人、恋人…。全てに欺かれていたとしたら。それどころか、自分が信じていた場所そのものが偽物だったとしたら。そして自分の人生が、知らない人々に全て知られていたとしたら。明るく描いてはいるけれども、決して面白おかしいと思える内容ではない。かなりダークに感じた。

フェイクの世界では自分は幸せで、コントロールされた世界の中とは言え、自分に不都合なことは起こりえない。そんな世界で生きることと、プロデューサーがつぶやいた「腐った世界」と称される現実で生きること。そのどちらが良いかなんて言うのは、知るか知らないかの世界ではあるけれども、結局は人々は自分の選択で人生を動かすことによって人生に楽しみを見出している。という原初の欲求を思い知らされるような気もしたし、

そして同時に、ラストシーンで警備員?達が、トゥルーマンショーが終わった直後に「次」のテレビ番組を選ぼうとするシーン。これは私達が他人の人生程度は飽くまでも娯楽程度にしか捉えていない、というシビアな目線も強く感じられた気がする。このメタファーには強い共感を覚える。

私たちは自分のために考え、自分のためだけに動く。そういうものなのだという皮肉が強く込められた大変おもしろい作品だった。この作品を全裸かパンツ一丁で観始めて、終わった時にしっかり服を着た視聴者はきっと何万人もいるだろうな。私もズボンを履きました。