Hearts in Atlantis
全体:☆☆☆
ストーリー:☆☆☆☆
映像:☆☆☆
音楽:☆☆☆
ボビーという男の元に、ある日一通の手紙とグローブが届く。手紙には、幼き日々を共に過ごした友の訃報が記されていた。葬儀に行くために、久しぶりに故郷へと戻ると、もう一人の親友の死も知ることとなってしまう。ボビーは悲しみにくれ、今はすっかり空き家になってしまった自分の昔の家を訪れ、その頃のことを少しずつ思い出していく。
彼はその時11歳。父を亡くし、母と二人暮らしだった。寂しい思いを抱えながらも、2人の友に囲まれて楽しく過ごしていた。そんな中、自宅の二階のテナントに、老人テッドが引っ越してくる。ボビーとテッドは徐々にその仲を深めていくが、テッドにはある秘密があった。
ダークファンタジー特集の中にあったので観たけど、ダークファンタジーではなかった。ドラマ映画寄りの、ローファンタジーって感じ。
内容は凄く静かに流れていく感じで、その空気感が好きだった。小説を読み進めているときの感覚みたいな。スティーブン・キングが著作したらしい。
凄く、言葉に出来ない何かを表現しているんだろうと思った。子供の頃の幻みたいな儚い思い出、恋等。でもそれを越してある日大人になってしまうことのやるせなさ、でも確かに手に入れる強さとか。明確には形にできない、子供の頃のあの感覚みたいなものを再現しているのかな〜と思った。で、テッドは能力のせいもあって、その今と過去のギャップに強く苦しんでいて、子どもたちと触れ合うことでそれを束の間でも癒しているような感じがした。
ボビーの母が直面する生々しい現実が描かれていたことも、それをうまく見せていくための対比の意味があったのだろうと思う。
全体的に心に切なさの残る作品だったけど、とても良い作品だと思いました。作品全体に起伏が少ないけど、日本映画みたいにダラダラしてるわけでもない。全体の分数も120分行かないくらいにしてる辺りが絶妙なバランスで飽きさせなくて最後まで集中できた。
どうでもいいことだけど、英題が"Hearts in Atlantis"で邦題が「アトランティスのこころ」っていうのはあんまり良くない訳し方だと思った。下手に訳すなら英題でいいんじゃないかと初めて思った作品でした