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Inglourious Basterds

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全体:☆☆☆

ストーリー:☆☆☆

映像:☆☆☆

音楽:☆☆☆☆

舞台は第二次世界大戦中のフランス。フランス駐在中のナチスドイツは、宣伝大臣ゲッペルスと英雄フレデリック・ツォラーの主催で、小さな映画館でプレミア上映会を開くことになる。それに乗じてアメリカ軍のバスターズ、プレミアを開く映画館のオーナー、エマニュエル(本当はユダヤ人)、そしてユダヤ・ハンターの異名を持つハンス・ランダ大佐の様々な思惑が交差する。

タランティーノ監督2本目だったが、やはりあまり好きになれなかったというのが正直な感想。まず歴史に基づいたフィクションなのか、基づかないフィクションなのかがはっきりしていないまま最後まで見てしまったので、ラストシーンでのナチ虐殺シーンは正直置いてけぼりを食らった。どこまで現実と照らし合わせていいのかが全く分からなかったというのが正直な印象。
タランティーノ監督は、意味の無いシーンを作ることに熱を込めているらしい。何か意味のありそうな意味の無いシーン。確かにそれは実現されている気はする。
また、今回の映画では特徴的に、会話の場での緊張感がピリピリと伝わるシーンが多かった。例えば冒頭、ショシャナの家族をかくまっている農家とランダ大佐のやり取り、ショシャナことエマニュエルとランダ大佐の1対1の対話、ハマーシュマルクとバスターズの席にやってきたドイツ軍少佐との勘ぐり合い、、などとにかく、見ていると苦しくなるようなシーンが特徴的だった。その演出、またランダ大佐ことクリストフ・ヴァルツの演技力も素晴らしかった。

グロテスクな描写がかなり生々しく、目を覆いたくなる。が、戦争という物の残虐性、不純さ、などは明確に伝わって来た。そのくらい、あまりにもすぐに、唐突に重要な人物が沢山死んだ。
2作観た感想としては、この人は映画で何かと伝えようとしているのではなくて、映画というひとつの「モノ」を作ることに専念している人なのかと感じた。そういう観点から見れば確かに、彼の映画はビジュアル、構成としての組み上げ方は非常に巧妙であると思う